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動手帳古風刻

動手帳古風刻

あらすじ、キャラ設定、エキストラストーリー

 

※これは「動手帳古界刻」のリメイクです。

 

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□あらすじ

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日陰の地では、春の花々は散り、植物達が青い葉を広げている。

綺麗に青く染まった山々も、また風情がある。

 

ここ神明神社にも、新しい季節が巡ってくる。

しかし、いつの季節も変わらず人気は少ない。

一人境内に座ってお茶をすすっている巫女もいつもと変わらずにいる。

 

「青々とした山を見ながらゆったり過ごすのも悪くわないわね。できれば忙しい方がいいのだけれど…ん?」

 

境内から見える妖怪の山。

そんな山であれ、植物が季節によって色を様々に変えていく…はずなのだが。

 

「何だか紫がかってたような。気のせい…じゃなさそうだけど」

 

「その通りだ神巫」

 

「…いつからそこでお茶飲んでるの?」

 

「さぁな。ただ、茶碗を温めて誰かさんの茶葉を蒸らして茶を淹れて、じっくり愉しむ程度には長かったかもな」

 

「勝手に神社の茶葉を使ったことは分かったわ」

 

突如現れた詐欺師、そしてそれを睨む巫女。

黒奈は特に気にせず、お茶を愉しんでいた。

 

「それでだ神巫、私がここに来たのにはワケがある。茶を飲みに来たんじゃあない」

 

「だったらなおさらどうして神社の茶葉を使ったのよ」

 

「気にするな、私がこの素晴らしい情報を神巫に提供すればつり銭が返ってくる程だからな」

 

「多分異変の話とかでしょ」

 

「さっきといい今日は冴えてるな。いや、いつものことか」

 

黒奈は先ほどまで神巫が眺めていた妖怪の山を指差した。

 

「…妖怪の山で異変が起こった、ってことね」

 

「そうだ。さっき気づいてただろう?あの山の異変に」

 

「紫がかってたように見えたこと?」

 

「その紫ってのは結界だ。それも、山一つ丸々閉じ込めてしまうぐらいのな」

 

「結界?山の妖怪の仕業かしら」

 

「いや、あそこは人里や他の妖怪の縄張りと大きな接触もない。元々隔離されてるような場所に結界を張るとは思えんな」

 

「そうかしら。ま、ともかく妖怪の山に行ってみましょう」

 

「おっと、行動が早いのはいいが、ここ最近異変もなかったから腕がなまってるんじゃないか?」

 

「じゃあどうしろっていうのよ」

 

「いい考えがある。そら、手頃なのが帰ってきたぞ」

 

さっそく異変に無関係な者が二人の異変調査の犠牲になるようだ。

 

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□キャラ設定

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■プレイヤーキャラサイド

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○由緒正しき神明の巫女

 伊渉弥 神巫(いざなみ いちこ)

 Izanami Itiko

 種族:人間

 能力:霊力を操る程度の能力

神明神社の巫女さん。

神社に人が来ないので特にすることもなかったが、久々の異変で張り切って出陣。

人々に何の迷惑もかかっていない異変でもすぐに動く真面目な巫女さん。

今日も信仰のため奮闘。

 

○雷光纏う仕事人

 鳴神 黒奈(なるかみ くろな)

 Narukami Kurona

 種族:人間

 能力:電気を操る程度の能力

天才性悪詐欺師。

いつも通りお仕事に勤めていたが、久々の異変となれば首を突っ込むしかない。

人々に迷惑が掛かろうが掛からまいが楽しければいい楽天的な詐欺師。

シーチキンはジャスティス。

 

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■敵キャラサイド

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○一面ボス 小さな預言者

 衣流芽 守(いりゅうが まもり) (作:Lein.さん)

 Iryuga Mamori

 種族:座敷わらし

 能力:先を読む程度の能力

神明神社に何故か住み着いている座敷わらし。

さらに何故か神明神社の神ともフランクな間柄。

性格、容姿、どれをとっても子供としか言い様がない。

 

機嫌良く遊びから帰ってきたところを『腕ならし』として弾幕勝負をさせられる。

本人も楽しんでいたが、彼女らの腕ならしには容赦がなかった。

 

○二面ボス 歴史の残し手

 キャテ (作:ポーンさん)

 Kyate

 種族:人間

日陰の地に迷い込んだ外来人。

歴史を書き留めるために各地を旅していた途中だったらしい。

明るい性格だが、少し天然が入っている。

 

千怪山の近くにいたという理由だけで弾幕勝負をけしかけられてしまった。

負けじと魔道書に記された魔法によって応戦。

しかし、相手が相手であった。

 

事情を知ると、親切にも結界が古代の術式によって成り立っていることを分析し二人に教えてあげた。

あとは彼女が元の世界に帰れるかどうかだけだ。

 

○三面ボス 巡り巡る死の導き

 六道 廻(ろくどう めぐる) (作:熱湯さん)

 Rokudou Meguru

 種族:死神

 能力:輪廻に導く程度の能力

閻魔の下で働いている死神。

仙人や天人など、生きすぎた者を地獄へ落とすのが本職。

死神らしい鎌ではなくベルによって魂を導く。

魂を抜くだけでなく肉体に入れることもできる万能ベル。

 

今回の異変とはまた違う件で行動していたようだ。

ある少女について尋ねてきたが、臨戦態勢の二人には関係のないことだった。

 

某ネズミのようなしゃべりが特徴的。

 

○4面ボス 長寿の亀の甲

 白雲 万亀(しらくも まき)

 Shirakumo Maki

 種族:妖仙

 能力:仙術を操る程度の能力

博物館『古界館』に住んでいる妖仙。

来客は特に拒まない主義。

非常に陽気な性格で、適当に生きている。

容姿が幼く中性的な顔立ちなので、男の子に間違えられるのが数少ない悩み。

 

二人がキャテの教えてくれた古代の術式を調べるために立ち入った古界館。

そこで初めて出会ったのが彼女。

結界の術式について尋ねると、あっさりと仲間がその結界を張ったことをもらしてしまう。

わざとかもしれない。

 

彼女自身は結界に関与していなかったが、異変の元凶と仲間だと言ったので共犯だと思われても仕方ないわけで。

 

○5面ボス 長寿の千の鶴

 白雲 千鶴(しらくも ちづる)

 Shirakumo Tizuru

 種族:妖仙

 能力:仙術を操る程度の能力

古界館に住んでいる妖仙。

怪しい来客者は見逃さない主義。

しっかりもので、古界館の管理は実質彼女が担っている。

古界館に厄介が二名いるので気を休める暇がないのが悩みの一つ。

 

いつも通り古界館を見回っていた時に二人と遭遇してしまった。

二人は彼女を共犯者だと思いこみ、彼女は奥の『主の部屋』を守るためにと勘違いしながら弾幕勝負を始めてしまった。

彼女も異変には関与していなかった。

それどころか異変が起こっていたことすら知らなかった。

 

完全なとばっちりである。

 

 

千鶴と万亀は、昔他十何人の妖仙と共に仙人が描いた絵から生まれた。

その仙人の部下として彼女らは生きていた。

ある日仙人は、神妙な顔つきで言った。

『世間との関わりを絶った私と死んだ妻の代わりに娘を守ってあげてくれ』

仙人は決して娘を愛していないわけではなかった。

それでも、もう人と関わるのをやめて仙人であることを選んだ。

 

仙人がどういう人生をたどってきたのかは知る由もない。 

だが、彼女らはそれを受け入れた。

生みの親の頼みともなれば断る理由もない。

そして何より、仙人の真剣な心が伝わったからだ。

 

元々人より物を好んでいた仙人が建てた博物館に、その娘はいた。

彼女は心優しい少女だった。

最初は彼女らを恐れていた。

人間が妖を恐るのは当然だろう。

親と同じく他人と関わるのが得意でないのもあった。

 

しかし、打ち解けるのにそう時間はいらなかった。

彼女は人も妖も分け隔てなく、家族のように愛した。

いや、彼女にとってはきっと家族であっただろう。

 

古界館では幸せな日々が続いていた。

 

しかし…

 

○6面ボス クランの猛犬

 風鈴 空(かぜすず そら)

 Kazesuzu Sora

 種族:付喪神

 能力:死の運命を捻じ曲げる程度の能力

遥か昔に作られた人形の付喪神

古界館に住んでいる。

彼女の持つ『ゲイボルグ』に刺されれば最後、閻魔帳に書かれ決められた死期も無視して死に至る。

過去の戦いで体中傷だらけ。

勇猛だが常にローテンション。

何の人形だったのか、頭に動物の耳がついている。

 

妖怪の山に結界を張った張本人。

彼女自身にはそんな力はないが、『主』が残した古代の魔道書によって大規模な結界を張ることができた。

 

 

空は遥か昔、何の変哲もない人形として人間に作られた。

他の人形とは何も変わらなかった。

ある人間の子供にとてもとても大切にされたことを除けば。

 

しかし、人形と違って人間には寿命がある。

いずれ別れがやってくるのは必然だった。

彼女にはその時既に、付喪神としての意識が宿っていた。

 

彼女は、再び自分を愛してくれる者を探し始めた。

一個の命として自立してしまった彼女には、大切な者を失った悲しみに耐えられなかったからだ。

しかし、長く使われボロボロになった彼女に寄り付く者はいなかった。

 

ある時、彼女は犬に襲われていた子供を助けた。

彼女にとってはそれだけのことだった。

その子供に愛されたいがためにしたことだった。

 

それが間違いだった。

彼女の強力な付喪神としての力は、犬を無残に刺殺した。

 

無論、人間からは敵視され、危険だと封印されてしまった。

 

それから長い年月が流れた。

 

彼女が『主』と出会ったのはその封印が主によって解かれた時だった。

主は、古界館の展示品を増やすために過去の遺物を掘り出しに行くのが日課だった。

その日、主は万亀と千鶴に護衛を任せて妖怪の山のふもとまで掘りに行き、封印されていた空を発見した。

主は万亀と千鶴の静止を無視して、魔道書に記された古代の術式によって封印を解いた。

 

空は、ただただ主を慕っていた。

自分達以外の妖仙が許さないだろうと考え、千鶴は妖怪の山のふもとでしか会ってはいけないと決めたが、二人にとってはそれで十分だった。

自分をまた愛してくれる人と出会い、心も安らいだ。

万亀と千鶴も、その様子を見て空には危険がないと判断し、黙認していた。

 

しかしある日、そのことが他の妖仙達にもばれてしまった。

千鶴は心配したが、主は「空は優しい子だから大丈夫」と言って妖仙達にも空と会わせてあげようと考えた。

そうすればみんな仲良くなれる。

そう考えた。

 

だが、再び空は間違いを侵してしまった。

 

主は妖仙達を連れ妖怪の山のふもとまで空に会いにいった。

空はいつもとは違う者達が主のまわりにいるのを見て警戒した。

彼女はその時、主を大切に思うあまり冷静さを失っていた。

そしてそれは妖仙達も同じだった。

一人の優秀な妖仙が空の強大な妖力を感知し、危険だと判断した。

それを他の妖仙達に伝えると、それぞれが臨戦態勢を取り、主を帰らせようとした。

空は、主を追いかけるように歩き出した。

そしてその一歩によって、戦いの火蓋は落とされてしまった。

お互い、主を守るための戦いだった。

 

しかしその戦いは、戦いというにはおこがましい程一方的であった。

 

空に牙を向けた者はみな空の魔槍に貫かれ即死した。

妖怪でなおかつ仙術を扱う彼らにとって死などほぼ無縁であるはずなのにもかかわらず。

あっさりと、殺されてしまった。

 

生き残ったのは空に攻撃しなかった主と万亀と千鶴、そして空。

 

 

その事件から、家族を失った悲しみで主は決して笑顔を見せることもなく、まともな会話もしなくなり、生気のない顔をしていた。

 

空は大切な者をなくす辛さを知っていた。だからなおさら、彼女に償わなければいけないという気持ちが強かった。

 

万亀も千鶴も決して空を攻めることはなかった。

けしかけたのは妖仙達であって、空は自分を守っただけだと。

しかし空には分かっていた。

本当は少なからず自分を恨んでいると。

 

ある日主は、部屋の中で冷たくなっていた。

心の病を患い、自殺を図っていた。

 

 

残された三人は、これからも古界館を守り続けることを決めた。

二人は使命のため、一人はせめてもの償いのため。

 

 

 

ある日空は、ふと思い出した。

主は古界館の展示物を増やすことを日課にしていたことを。

せめてもの償いならば、彼女がしたかったことをするべきだ。

そう思った。

 

主が残した古代の魔道書にはこんな魔術があった。

対象物を探索し、手元に引き寄せる魔術。

妖怪の山は、空が封印されたころはゴミ捨て場だった。

たとえゴミ捨て場としても、当時の貴重な資料が掘り出せるかもしれないと空は思った。

 

しかし、大規模でそんなことをすれば山は崩れ、人里にまで被害が及ぶであろうことを本人は知らなかった。

 

そして、異変の元凶を止めに来た二人の人間が初めてそれに気づいたのだった。

 

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■エキストラストーリー

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異変が終わった神明神社では、いつもの二人に加えて何故か付喪神も佇んでいた。

妖怪がいていいのか神明神社

 

黒奈「しかし、まさかあの妖怪の山にお宝が眠ってたとはな。ただの邪魔な砂山かと

   思っていたが意外と役に立つかもな」

空「あくまで予想だがな…期待はするな、所詮ゴミ捨て場だ」

神巫「どっちにしろ掘り返さないでよ。また今回の異変をやり直すなんて洒落にもな

   らないわ」

 

三人は境内で割とのんきしていた。

異変は山の妖怪が怒る程度で済み、異変前と変わらない空気が流れていた。

 

黒奈「そういえば、途中で死神に会ったよな」

神巫「あぁ、忘れてたけどそうね。異変には関係なかったみたいだし、何がしたかっ

   たのかしら」

空「死神か…私が能力を行使するのを警告しに来たことはあるな」

神巫「もしかして、あなたを探してた、とかじゃないわよね」

空「どうだかな…ありえなくはないがな」

黒奈「そんな世にも恐ろしい能力だ、びびる死神の気持ちもわからなくはない」

廻「びびってなどはいないさ。厄介なだけさ」

 

いつの間にかそこでは見覚えのある死神が馴染んでいた。

ちゃっかりお茶も飲んでいる。

 

神巫「…あなた、いつからそこにいたの?」

廻「このお茶をじっくり愉しむ程度、かな」

黒奈「ふざけんなよお前!茶葉返せ!」

神巫「どの口が言うのよ」

 

巫女が睨み、詐欺師はスルーする。

デジャヴ。

 

黒奈「でだ死神。お前は何を探してたんだ?そしてどうしてここにいる」

廻「質問は一つ一つにしてほしいんだけどね…まぁいいよ、答えてあげるよ」

 

廻はもったいぶるようにお茶を一口飲んでから話始めた。

 

廻「私が探しているのは仙人の子さ。私たち死神からすれば仙人は厄介者。その子供

  ともなれば厄介が増える可能性がある。だから監視しにきたのさ」

空「その仙人の子というのは…クランという名か?」

廻「あぁ、ご名答。そして君が彼女と知り合いなのも君と会ったことのある死神から

  聞いたよ。私がここに来たのは、君にクランについて聞くためだ。さて、どうし

  て彼女は死期でもないのに死んでいるんだい?」

空「意地の悪いやつだ…私の能力もその死神から聞いたのだろう?」

廻「ただの確認さ。どうやらそういうことみたいだね。まぁいいさ、死んだなら死ん

  だで亡霊の処理を行うだけだしね」

神巫「ん?そのクランって人、亡霊になったの?」

廻「おっと、口が滑ったか…」

空「その話、本当なのか!?」

黒奈「突然大声だすな耳が痛いだろうが」

空「す、すまない…でも、私にとって大切なことなんだ。答えてくれ」

廻「一応仕事内容は内密にって言われてるんでね…話のネタにしてたけど。私は失礼

  させてもらうよ」

 

廻は焦った様子で飛んでいってしまった。

 

空「何ということだ…。頼む、二人共。このことが本当かどうか共に確かめにいって

  くれないか?」

黒奈「共にって…私たちはそのクランとかいうやつの顔もしらないんだぞ?どうしろ

   って言うんだ?」

空「訳あって彼女には顔向けできない。だから君達が彼女と話をして欲しい」

神巫「私は死期じゃない人間の魂が持っていかれると聞いたら動かないわけにはいか

   いわね」

黒奈「そいつを使って空の弱みを握るってのも悪くない…その話、乗った!」

空「恩に切る…」

 

過去への決着をつけるため、二人は割と気楽に、一人は神妙な顔つきで飛び立っていった。

 

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■エキストラストーリー

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○エキストラ中ボス 巡り巡る死の導き

 六道 廻(ろくどう めぐる)

 Rokudou Meguru

 種族:死神

 能力:輪廻に導く程度の能力

うっかり口を滑らせ、仕事を奪われそうな死神。

前回は応戦しただけだったが、今回はそうはいかない。

少しだけ、本気を出している。

 

彼女は本当はまだ死期でないのに肉体が朽ちた亡霊の扱いが面倒なようだ。

 

○エキストラボス 追憶の亡霊

 クラン

 Culann

 種族:亡霊

 能力:古代の意思を受ける能力

元々は空達の『主』だった人物。

直接的ではないが、空の能力によって死期がずれてしまった。

生前の記憶はなく、肉体も朽ち果ててしまっている。

 

性格は生前と変わらず心優しいが、記憶も肉体もないので錯乱状態にある。

 

過去に作られたものに込められた故人の意思を感じ取る能力を持ち、そういうものが好きなのは本質的な部分で変わっていない。 

 

人間二人に弾幕勝負をけしかけてきたところを見ても、空は彼女は以前と全く同じクランではないと分かった。

彼女にはもう生前の記憶もない。

それなのに生前の記憶によって亡霊として成仏できていなかった。

 

空は、亡霊となり記憶もなくなった彼女を幸せにすることを決めた。

償いのため、そして自分自身の彼女と共にすごしたいという気持ちのため。

 

古界館に興味津々なクランは、空と妖仙二人と暮らすことを快く承諾した。

 

彼女の死後からの第二の人生が、幸福であふれますようにと、巫女は祈った。

 

クランの記憶がいつか戻って空の弱みを握れますようにと、詐欺師は面白半分に祈った。